簡単な醤油の作り方補足 テキスト版でさらに補足

我こそは醤油を作ってみせようという方、是非トライしてみてください。
まず小麦ですが、出来れば全粒を手に入れて、フライパンで焦げる寸前ま
で炒ります。
        最後のほうは、しゃもじで常にかき回していないと
        焦げてしまいます。とてもいい匂いがしますから、がんばってください。
        
ぱちぱちとはじけだしたら頃合いです。
冷ましてから、すりこぎでおおざっぱに砕きます。
        小麦が粒のまま残らないようにしてください。
        小麦の皮(ふすま)は酵素の作用を受けないので、
        小麦が最後まで溶けずに残ってしまいます。
もし、小麦が手に入りにくければ、強力粉で代用します。
        小麦粉で代用される場合は、必ずしも炒る必要はありません。

大豆は一晩水に浸けた後圧力鍋で、1時間以上、普通のなべなら8
時間以上煮てください。
        大豆は吸水すると体積が2倍くらいにふえます。
        大豆を浸す容器は相当ゆとりのあるものを使用してください。
        かくいう私も初めて仕込んだときこれで失敗しました。
        
煮汁を捨て、少し冷まして、(40度くらい)小麦と混合します。


麹菌(手に入らないときはご連絡ください。お送りします。)を
混ぜ、30度で3日置きます。
        種麹は、先に小麦(粉砕後)に混ぜていくといいと思います。
        種麹まじりの小麦を大豆と混合するわけです。
        種麹を原料に植え付ける作業ですから、混合はしつこく行ってください。

最初は山形に盛って保温し、自己発熱が始まると平らにならして放熱させ
ます。
        麹を寝かせるのが一番大変な仕事です。
        まず、麹を寝かせる容器ですが、
        50cm×30cm 深さ5cmくらいの箱に布を敷いて、
        大豆小麦の混合物(以後、麹)を山形に盛ります。
        ここで温度をチェックして、35度以下であることを確認してください。
        35度以上のときはいったん平らにならして放熱させ、
        また山形に盛り直してください。
        温度確認後は保温と乾燥防止の種に麹の上に布をかけ、
        こたつの中に入れておくとよいと思います。

40度以上になると失敗しますから温度計でチェックしてください。
片上醤油でも1日目の夜は寝ずの番をしています。
2日目には固くなってきますからほぐしてください。
        順調にいけば、混合後、12時間くらいで発熱が始まり、
        18時間後ころ、温度が急上昇します。
        そのころにいったんほぐして、平らにならしてください。
        さらに、混合後27時間くらいのとき、もう一度ほぐしてあげてください。
        ここまでくればもう大丈夫。
        混合後、45時間くらいで出来上がりです。
        温度が下がってしまって、遅れた場合はその分延長して下さい。
        
作業性を考えると、大事小麦の混合が午後3時ころになるとよいと思います。


3日め全体に緑がかってくると塩水に仕込みます。

仕込みの割合は、大豆1小麦1塩水3くらいがいいと思います。
塩水の濃度は20%(重量/容量)見当です。
たとえば、大豆3キロ、小麦3キロならば、塩約1.8キロに水を注いで9リットル
にします。
        大豆2キロ、小麦2キロならば、塩約1,2キロに
        水を注いで6リットルにします。
        
腐敗防止のため、仕込んでから3週間くらいは冷蔵をお勧めします。
        仕込み後、5日間は毎日あっさりとかき混ぜてください。
        麹と塩水をなじませるためです。
        
外に出して品温が上がってくると醗酵します。
        プクプクと泡が出てきます。

醗酵している間は3日に1回くらいかき混ぜてください。

上記の経過をたどるためには、仕込みは4月から5月ころがよいと思います。

ふた月くらいで醗酵は終わりますから、その後半年から1年寝かせてから
布で絞ります。
        発酵終了後はまた冷蔵したほうがいいかもしれません。
        時々様子を見てあげてください。
        表面に白い斑点が見えたら、かき混ぜてください。
        
汁はなべで70度くらいまで炊いて殺菌します。
これで出来上がりです。

詳しい醗酵管理はこちらから

   

作成者:山本しげゆき 原案:片上裕之 since from 98/2/14